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あけましておめでとうございます。

あけましておめでとうございます。
健康と幸せに満ちた素晴らしいお年となりますことを心よりお祈りいたします。

# by chikakinu | 2020-01-01 05:00  

不正性器出血

78歳 女性 主婦
 半年ほど前から下着にわずかに出血が付くことがありましたがあまり気にせずに過ごしてきました。その出血がここ1ヶ月ほど前から量が多くなってきましたがそれも年のせいだと思って過ごしていました。しかし今回、トイレでお腹に力を入れた時にサーっと流れるような出血があり便槽が真っ赤になりました。そこで心配になり思い切って産婦人科に行くことに決め、当院を受診なさいました。
 膣鏡で確認すると膣部が強い炎症所見を呈しており、少し鑷子(せっし)で触れるだけで出血を認めました。子宮頸部細胞診を行うと高度の異形成を疑う結果でした。そのため、さらにコルポスコピーという拡大鏡で病変を確認しながら病変部の組織を生検し病理組織検査を行ったところ、子宮頸がんの結果でした。
 後日結果をご本人とご主人に結果を説明し、精査、治療のため総合病院をご紹介しました。

ポイント:ご本人とご主人に結果を説明するとお二人ともがんという結果よりも、78歳で子宮がんになったことを大層驚いていらっしゃいました。「子宮頸がんは若い人の病気で老人になった子宮がんにはならないと思っていました。そのため10年前からは子宮がん検診を受けるのもやめていました。」とのことでした。子宮頸がんは確かに30〜40歳代に多いがんとして知られていますが高齢になっても発症します。年代別子宮頸がん罹患数をみると30〜40歳代でピークを示していますが、実は70歳代でももう一つ小さな発症ピークをしていることがわかります。

# by chikakinu | 2019-12-01 05:00  

月経痛の増強

31歳 教員 女性 独身
 1年ほど前から月経痛がひどくなってきたと感じていました。以前は月経痛は鎮痛剤を内服すれば良くなり仕事に支障をきたすことはありませんでした。しかし最近は鎮痛剤を内服しても痛みが軽減せず、また月経が終わってからも痛みが長く残ることも多くなっていました。中学校の教員をしており、3ヶ月後には生徒の引率で修学旅行に行かなくてはなりません。その時に痛みがひどくなっては困るので思い切って産婦人科に行くことに決め、当院を受診しました。
 超音波検査をすると左卵巣に50mmほどの卵巣のう腫を認め、子宮も増大していました。血液検査では腫瘍マーカーのCA125が上昇していました。子宮内膜症による左卵巣子宮内膜症性のう胞(チョコレートのう腫)と子宮腺筋症でした。MRI検査後、今後の治療について説明したところ手術治療は望まないとのことでした。現在独身であり、将来的には妊娠はしたいと考えているものの今のところ妊娠は希望しないとことでした。そこで低用量エストロゲン・プロゲスチン製剤による治療を開始しました。
 現在治療開始から10ヶ月が経過し、CA125は正常範囲となり、卵巣のう腫も37mmと縮小しています。また月経も非常に軽くなり、低用量エストロゲン・プロゲスチン製剤による治療なので出血日も自分でコントロールできるため、安心して仕事ができるとのことでした。

ポイント:月経痛の増強は子宮内膜症や子宮筋腫などの病気の進行のサインであることがしばしばあります。子宮内膜症や子宮筋腫は進行すると不妊症の原因になる可能性もあります。特に初婚年齢が30歳を超えている現代では卵巣の加齢+子宮内膜症+子宮筋腫というように気づかないうちに不妊症の原因をいくつも重ねてしまうこともあり注意が必要です。

# by chikakinu | 2019-11-01 05:00  

無月経

 23歳 女性 会社員
 約4ヶ月前の月経を最後に月経が来なくなりました。最初のうちは環境の変化が原因かもしれないと思いあまり気にも留めず過ごしていました。しかし4ヶ月も月経が来ないとだんだん心配になってきて当院を受診しました。
 まだ性交経験はないため妊娠の可能性はありませんでした。超音波で子宮がやや萎縮していることを確認しました。身長158cm。体重38kg。BMIを計算すると15.6と痩せすぎでした。
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
BMI 18.5〜24.9 : 普通体重
BMI 18.5未満 : 痩せ
BMI 25以上 : 肥満
ホルモン検査では脳からでているホルモンが低くなっており、排卵が停止し無月経になっていることがわかりました。本人に体重が減っている原因を聞くと、就職したら同僚の女性より自分がずっと太っていたので食事を減らしてダイエットを始めたとのことでした。でもまだまだ理想の体型ではないのでもう少し体重を減らしたいとのことでした。
 病名は神経性食欲(食思)不振症による体重減少性無月経でした。本人は月経を起こすことを強く希望していましたが、痩せすぎのまま月経を起こす危険について説明し、まずは体重を適正体重まで戻す治療を優先することが大切であると話しました。そして本人の体型に対する歪んだ認識が強いため精神科にて神経性食欲(食思)不振症の治療が始まりました。 その後、ゆっくりでしたが少しずつ体重が増加してきたので現在はご本人の希望どおりホルモン療法も開始して定期的に出血をおこす治療をしています。

ポイント:無月経の原因は無排卵です。痩せすぎや太り過ぎの女性が妊娠すると生命にかかわる事態となることがあります。そのため痩せすぎたり、太りすぎたりすると生存本能がひとりでに働き、妊娠を回避するために排卵を停止し無月経になるのです。

# by chikakinu | 2019-10-01 05:00  

月経時の出血量増加

 46歳 女性 約半年前から月経時痛みが強くなり、またの出血量も増えてきたのに気づいていました。3ヶ月前に受けた健康診断でも貧血を指摘されており、会社の産業医かも治療を受けるようにと指導されていました。しかしあまり気にも留めず過ごしていました。今月の月経は月曜日の夜から始まりました。血液の固まりがドロンと何度も出てきました。火曜日の朝、大判のナプキンを当て会社に向かいました。しかし少し早歩きをしても動悸がし、横断歩道も1回で渡りきることができずに中央帯で1回信号をやり過ごし休みながら渡りました。会社に着くとフラフラし医務室へ行行きました。保健師から顔色の悪さを指摘され直ちにかかりつけの病院に行くよう言われ当院を受診しました。
 超音波にて子宮に3cmの粘膜下筋腫と10cmの筋層内筋腫、子宮内膜症による子宮腺筋症も認めました。貧血は血色素が4.8 g/dlと重症貧血でした。来院時も出血が持続しておりは出血性ショックの危険もあるため血管確保などの処置後、連携病院に緊急搬送しそのまま入院となりました。
 1 週間の入院を経て、今後の治療の相談に当院を再度受診しました。主治医から子宮全摘および両側卵巣切除の治療説明を受けたとのことでした。本人は未婚、未出産のため子宮全摘に抵抗があり、その上卵巣までとるのは心配とのことでした。筋腫の場所や大きさ、年齢を考えると子宮全摘が望ましいこと、筋腫の核出術によって子宮を残しても今後の妊娠は難しく、また子宮内膜症の再発を予防し根治させるのには卵巣の摘出も合わせて行なった方が良いことを説明しました。子宮全摘を行えば、今後の生活は格段に快適になるはずであり、卵巣全摘によってのぼせ、発汗などの症状が出てもそれは一時的であり、症状が強ければホルモン補充療法を行えば解決することもお話ししました。
 その後、ご本人は予定通り開腹子宮全摘術および両側付属器摘出術を受けました。骨盤内には強い癒着も見られたとのことでした。ご本人が心配していた子宮や卵巣の全摘による困った症状は何も起こりませんでした。今は月経過多と月経痛と貧血によるだるさから解放されとても快適な毎日で、こんなに楽になるならもっと早くに手術を受けていれば良かったとのことでした。

ポイント:子宮や卵巣の摘出は厳しい選択ではありますが、その治療が人生において最良のことがあります。勇気を持って決断することも必要です。

# by chikakinu | 2019-09-01 05:00