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不妊症 case2

30歳 会社員
 結婚して3年経つもなかなか妊娠せず悩んでいました。本人は標準的な体型で肥満も体重減少無く今まで大きな病気もありませんでした。同い年の夫も健康です。30歳の誕生日を迎えたのを機に産婦人科を受診してみることにしました。
 当院受診時、身長158cm 体重53kg BMI 21。超音波にて子宮、卵巣は正常。基礎体温の測定について尋ねると毎日測っているとの答えでしたが、それは一般の体温計で普通に腋窩体温を測定しているものでした。そこで、基礎体温とは婦人体温計を用いて舌下で測るものであることを説明し、基礎体温表をお渡しして2ヶ月から3ヶ月測定して持参するようにお話しました。
 3ヶ月後基礎体温表を記入して受診なさいました。そちらを確認すると月経周期は約40日であることがわかりました。ところがご本人に確認すると排卵日は月経から14日目と何かで読んだので、月経から14日目ぐらいにのみ夫婦生活を持っていたということでした。そこで月経周期が40日の場合は月経から26日目前後に排卵することが多いとを説明しました。来院日が月経周期の24日目だったので超音波で卵胞計測を行いました。そうするとやはり2日後が排卵日と考えられたのでその頃にタイミングを持つように説明しました。
 それから約1ヶ月後、市販の妊娠反応が陽性を示したため当院を受診なさいました。超音波にて子宮内に胎嚢を認め、妊娠が成立したことを確認しました。

ポイント:基礎体温をつけることは面倒と考えがちですが、基礎体温測定は一番シンプルな検査で妊娠への近道の一つです。

# by chikakinu | 2021-01-04 05:00  

あけましておめでとうございます。

あけましておめでとうございます。佳き日々の一年となりますようお祈りいたします。

# by chikakinu | 2021-01-01 05:00  

不正性器出血と重症貧血 case2

37歳 女性 主婦
 半年ほど前より出血が続いていました。少し気になりましたが毎日の生活に忙しくて様子を見ていました。ところが3日前から出血が急に多くなり、めまいもひどくなってきたため当院を受診なさいました。
 来院時は顔面蒼白。診察をすると膣内は血の塊で所見をとるのが難しい状態でした。そっと血液塊を取り除くと、子宮頸部は肉眼的にもがんの病変に覆われているのが確認できました。子宮頸がん検診の受検の有無について質問すると、第2子を妊娠中に受けた10年前の検診が最後でそれ以降は子宮頸がん検診を受けていないとのことでした。緊急採血の結果は重症貧血で、出血も持続しており直ちに連携病院へ救急車で搬送となりました。
 先週、連携病院より経過報告があり、診断は浸潤性の子宮頸がんとのことでした。緊急入院後輸血をし、貧血状態は改善。ご本人とご主人に告知を行い一時退院。今後精査を更に行い今後の治療方針を決定するとのことでした。

ポイント:子宮頸がんは病気が進行してくるまではあまり症状がありません。こちらの症例の方は子育てとパートの仕事で忙しくて子宮頸がん検診を受けなければと思いながらもつい疎かにしていたとのことでした。1年に1回は子宮頸がん検診を受けることが大切です。

# by chikakinu | 2020-12-01 05:00  

不妊症

34歳 女性 

 結婚した当初から早く子どもを持ちたいと思いいろいろな本で勉強し、基礎体温をつけながら妊娠するように努力していました。しかし結婚して3年が経過してもなかなか妊娠せず当院を受診なさいました。
 基礎体温は28日から32日周期で二相性の基礎体温でした。ホルモン検査は異常なし。超音波卵管撮影も正常。ご主人の精液検査は精子数がやや少なめでしたが運動率は正常。2回ほど自然周期でタイミングを指導しましたが妊娠は成立しませんでした。そこで内服薬による排卵誘発にステップアップすること、それとともにご主人の精子数のこともありAIH 配偶者間人工授精を提案しました。しかしなるべく自然な方法で妊娠をなさりたいとのご希望が強く排卵誘発だけにしたいとのことでした。そのため内服排卵誘発3周期行いましたが妊娠成立せず、ご本人も間も無く35歳になることからもう一度AIHについて説明しました。今回はご本人もご主人もAIHを希望なさるとのことでしたので4周期目は内服排卵誘発+AIHを行いました。精子の回収率も良かったことをお話しAIHを施工しました。
 AHIから18日目に「市販の妊娠反応が陽性になりました!」とご本人がお喜びになって受診なさいました。院内の妊娠反応も陽性であり無事妊娠成立。昨日胎嚢内に胎児心拍も確認しました。

ポイント:AIHは体外受精と比較すると妊娠率はあまり高くはありません。しかし今回のように精子数や運動率がやや低いというご夫婦には適した方法といえます。医学が進歩しても卵子の老化を止めることはできません。早め早めに適切な治療を受けることが大切です。

# by chikakinu | 2020-11-01 05:00  

不正性器出血 case3

23歳 女性 契約社員 風俗業アルバイト

 6ヶ月ほど前から月経時以外にも出血を認めるようになりました。特に性交後に出血があることに気づいていましたがあまり気にならなかったのでそのまま過ごしていました。しかし昨日パートナーからクラミジア尿道炎になったと報告があり自分も感染しているのではと心配になり当院を受診しました。 診察をすると腟内に膿様のおりものが溜まっていました。子宮腟部は出血しやすくなっていました。腟分泌物を採取し、腟内を消毒。抗生物質の膣錠を投与しました。炎症が強いので内服の抗生物も投与し、一週間後に来院するよう説明しました。検査結果はクラミジア陽性でした。追加の内服薬を処方し2週間後に検査をするとクラミジアは陰性になり治癒していました。しかしそれにもかかわらず子宮腟部の炎症が改善していなかったので子宮頸がん検診も受けるよう説明し、子宮頸がん検診を施行しました。細胞診の結果は高度病変疑いであり、さらに詳しい組織検査をすると子宮頚がんとの結果でした。
 本人に子宮頸がんであり手術治療が必要であることを説明し、連携病院にご紹介しました。
 先日子宮の一部を切除する円錐切除を受け、幸い初期であったため子宮を温存することができたと紹介先の病院から結果報告をいただきました。

ポイント:子宮頸がんはヒトパピローマウイルスが原因であり性交によって感染します。性交経験がある場合はHPVに感染する可能性があります。本症例の患者さんはHPV感染のリスクが高いにもかかわらず今まで子宮頸がん検診を受けたことはありませんでした。子宮頸がん検診は性交経験がある場合は必ず1年に1回受けるようにしましょう。

# by chikakinu | 2020-10-02 05:00