人気ブログランキング |

下腹部痛

 コラムを利用して病気や医療についてお話ししてきましたが、今月からは具体的に症例を紹介していきます。どの症例も当院を受診なさった患者さんですが、プライバシー保護のため年齢などは少し変更してあります。ご自分に気になる症状がある時に参考になさってください。

 27歳 女性月曜日早朝、通勤中に右の下腹部に痛みを感じました。会社の健康相談室で痛み止めを内服し休んでいたらなんとなく痛みがおさまったように感じ、少しウトウト眠りました。しかし再び痛みが強くなって目が覚めてしまいました。歩くと一歩毎に右のお腹に痛みが響き、虫垂炎かと思って会社近くの内科を受診しました。診察の結果、内科主治医から産婦人科の病気かもしれないので産婦人科の受診するようにと勧められ当院を受診なさいました。当院に到着した頃には下腹部痛が強くなっており真っ直ぐに座るのもつらく体を丸めてうずくまっていました。
 超音波検査で約6cmの右卵巣嚢腫を認め、診察時に右の下腹部に強い痛みがありました。検査より右卵巣嚢腫の茎捻転と診断しました。直ちに連携病院に搬送し緊急の腹腔鏡手術が行われ右卵巣嚢腫を切除しました。卵巣は一回転半捻れていましたが受診、診断、治療が速やかだったので卵巣へのダメージは最小限であり全摘は免れました。
 術後の経過は順調です。卵巣のう腫は皮様のう腫(ひようのうしゅ)という種類でした。きれいに切除されていますが、再発の有無を確認するために現在も当院に定期的に通院なさっています。

 ポイント:卵巣のう腫は今回のように捻れたり、または相当大きくなるまで気づかない腫瘍です。無症状の卵巣の病気については子宮がん検診などで偶然に見つかることがほとんどです。

# by chikakinu | 2019-06-01 00:00