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外陰部腫瘤 疼痛

31歳 女性 会社員

  およそ4〜5日前より外陰部がなんとなく腫れてきたのを感じていましたがそれだけの症状だったのでそのままにしていました。2日前より痛みを感じるようになりましたが、たいした痛みでもないしそのうち治るだろうと思って様子をみていました。しかし昨夜からズキズキとした痛みがひどくなり、腫れている部分もとても大きくなってきたため本日当院を受診なさいました。
 右の外陰部が赤く腫れていました。痛みも強く、膿を出さないと治らないことを本人に説明ました。局所麻酔後、小切開を入れ排膿をおこないました。悪臭のある黄色の膿が排泄されました。嫌気性菌によるバルトリン膿瘍でした。膿の排泄が持続するようにドレーン(膿や血液が溜まらないようにするために入れる管)を挿入し、明日も来院するようにお話し、抗生物質と消炎鎮痛剤を処方しました。翌日、痛みも軽減。およそ4日後には腫れもひき、膿も出なくなり治癒しました。

ポイント:バルトリン腺膿瘍は膣の側にあるバルトリン腺という分泌管の開口部が詰まりそこに細菌が感染しておきます。性交に関連しておきることも多く性成熟期の女性に多くみられます。繰り返す場合は造袋術という手術をすることもあります。

# by chikakinu | 2020-03-01 05:00  

下腹部痛

28歳 女性 会社員

 およそ2週間前より帯下(おりもの)が増え、腹部に痛みを感じていましたが仕事が忙しかったのでそのまま様子をみていました。しかし3日前、発熱とともに腹部の痛みが強くなり近医内科を受診しました。診察の結果、産婦人科疾が疑われたため当院へ紹介となりました。
 痛みは右の上腹部を中心に認め、黄色帯下が増加していました。血液検査を施行したところ、白血球、CRPが上昇。クラミジア検査の結果は陽性でした。これらのことからフィッツ・ヒュー・カーティス症候群と診断しました。抗生物質による治療を開始すると熱も下がり、痛みも軽減。およそ2週間後には帯下もきれいになり全ての検査結果が改善していました。

ポイント:フィッツ・ヒュー・カーティス症候群は起炎菌であるクラミジアが性交により、膣から子宮、卵管そして腹腔内に入り、肝臓周囲に炎症が起きたものです。症状が右上腹部痛であるため、最初に内科や外科を受診することも多く胆管炎などとの鑑別に注意が必要な疾患です。女性は性病が性器だけではなく卵管を通って腹腔内の強い炎症を起こすことがあるので注意が必要です。

# by chikakinu | 2020-02-01 05:00  

続発性無月経 case.1

38歳 女性 主婦 子ども2人

  ここ3ヶ月ほど月経が無いことを心配し当院を受診なさいました。今までも2週間前後月経が遅れることはありましたがこれほど長く月経が来ないことはありませんでした。
 身長158m 体重52kg。妊娠反応は陰性でした。超音波検査とホルモン検査を行いました。するとプロラクチンというホルモンが三桁の高い値を示していました。プロラクチンは一部の精神科領域の薬や胃薬によって上昇することがあるので、それらの薬の服用について尋ねると薬は何も内服していないとのことでした。プロラクチンは脳の下垂体から分泌されるホルモンです。そのため下垂体の腫瘍を疑い脳神経外科にご紹介しました。
 病名は下垂体腺腫でした。大きい腺腫でしたが手術にて無事摘出することができました。今も脳神経外科で定期的に経過観察を行っています。

ポイント:大きい下垂体腺腫は視神経を圧迫することがあるため、視野障害などの目の症状によって見つかることがあります。ご紹介した患者さんも視野障害もおこしており当院からご紹介するのと同時に眼科主治医からも脳神経外科へ紹介となっていたようです。無月経、視野障害は一般的には無関係に思われるかもしれませんがどちらも下垂体腺腫のサインの可能性もあるので注意が必要です。

# by chikakinu | 2020-01-04 05:00  

あけましておめでとうございます。

あけましておめでとうございます。
健康と幸せに満ちた素晴らしいお年となりますことを心よりお祈りいたします。

# by chikakinu | 2020-01-01 05:00  

不正性器出血

78歳 女性 主婦
 半年ほど前から下着にわずかに出血が付くことがありましたがあまり気にせずに過ごしてきました。その出血がここ1ヶ月ほど前から量が多くなってきましたがそれも年のせいだと思って過ごしていました。しかし今回、トイレでお腹に力を入れた時にサーっと流れるような出血があり便槽が真っ赤になりました。そこで心配になり思い切って産婦人科に行くことに決め、当院を受診なさいました。
 膣鏡で確認すると膣部が強い炎症所見を呈しており、少し鑷子(せっし)で触れるだけで出血を認めました。子宮頸部細胞診を行うと高度の異形成を疑う結果でした。そのため、さらにコルポスコピーという拡大鏡で病変を確認しながら病変部の組織を生検し病理組織検査を行ったところ、子宮頸がんの結果でした。
 後日結果をご本人とご主人に結果を説明し、精査、治療のため総合病院をご紹介しました。

ポイント:ご本人とご主人に結果を説明するとお二人ともがんという結果よりも、78歳で子宮がんになったことを大層驚いていらっしゃいました。「子宮頸がんは若い人の病気で老人になった子宮がんにはならないと思っていました。そのため10年前からは子宮がん検診を受けるのもやめていました。」とのことでした。子宮頸がんは確かに30〜40歳代に多いがんとして知られていますが高齢になっても発症します。年代別子宮頸がん罹患数をみると30〜40歳代でピークを示していますが、実は70歳代でももう一つ小さな発症ピークをしていることがわかります。

# by chikakinu | 2019-12-01 05:00