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無月経

 23歳 女性 会社員
 約4ヶ月前の月経を最後に月経が来なくなりました。最初のうちは環境の変化が原因かもしれないと思いあまり気にも留めず過ごしていました。しかし4ヶ月も月経が来ないとだんだん心配になってきて当院を受診しました。
 まだ性交経験はないため妊娠の可能性はありませんでした。超音波で子宮がやや萎縮していることを確認しました。身長158cm。体重38kg。BMIを計算すると15.6と痩せすぎでした。
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
BMI 18.5〜24.9 : 普通体重
BMI 18.5未満 : 痩せ
BMI 25以上 : 肥満
ホルモン検査では脳からでているホルモンが低くなっており、排卵が停止し無月経になっていることがわかりました。本人に体重が減っている原因を聞くと、就職したら同僚の女性より自分がずっと太っていたので食事を減らしてダイエットを始めたとのことでした。でもまだまだ理想の体型ではないのでもう少し体重を減らしたいとのことでした。
 病名は神経性食欲(食思)不振症による体重減少性無月経でした。本人は月経を起こすことを強く希望していましたが、痩せすぎのまま月経を起こす危険について説明し、まずは体重を適正体重まで戻す治療を優先することが大切であると話しました。そして本人の体型に対する歪んだ認識が強いため精神科にて神経性食欲(食思)不振症の治療が始まりました。 その後、ゆっくりでしたが少しずつ体重が増加してきたので現在はご本人の希望どおりホルモン療法も開始して定期的に出血をおこす治療をしています。

ポイント:無月経の原因は無排卵です。痩せすぎや太り過ぎの女性が妊娠すると生命にかかわる事態となることがあります。そのため痩せすぎたり、太りすぎたりすると生存本能がひとりでに働き、妊娠を回避するために排卵を停止し無月経になるのです。

# by chikakinu | 2019-10-01 05:00  

月経時の出血量増加

 46歳 女性 約半年前から月経時痛みが強くなり、またの出血量も増えてきたのに気づいていました。3ヶ月前に受けた健康診断でも貧血を指摘されており、会社の産業医かも治療を受けるようにと指導されていました。しかしあまり気にも留めず過ごしていました。今月の月経は月曜日の夜から始まりました。血液の固まりがドロンと何度も出てきました。火曜日の朝、大判のナプキンを当て会社に向かいました。しかし少し早歩きをしても動悸がし、横断歩道も1回で渡りきることができずに中央帯で1回信号をやり過ごし休みながら渡りました。会社に着くとフラフラし医務室へ行行きました。保健師から顔色の悪さを指摘され直ちにかかりつけの病院に行くよう言われ当院を受診しました。
 超音波にて子宮に3cmの粘膜下筋腫と10cmの筋層内筋腫、子宮内膜症による子宮腺筋症も認めました。貧血は血色素が4.8 g/dlと重症貧血でした。来院時も出血が持続しておりは出血性ショックの危険もあるため血管確保などの処置後、連携病院に緊急搬送しそのまま入院となりました。
 1 週間の入院を経て、今後の治療の相談に当院を再度受診しました。主治医から子宮全摘および両側卵巣切除の治療説明を受けたとのことでした。本人は未婚、未出産のため子宮全摘に抵抗があり、その上卵巣までとるのは心配とのことでした。筋腫の場所や大きさ、年齢を考えると子宮全摘が望ましいこと、筋腫の核出術によって子宮を残しても今後の妊娠は難しく、また子宮内膜症の再発を予防し根治させるのには卵巣の摘出も合わせて行なった方が良いことを説明しました。子宮全摘を行えば、今後の生活は格段に快適になるはずであり、卵巣全摘によってのぼせ、発汗などの症状が出てもそれは一時的であり、症状が強ければホルモン補充療法を行えば解決することもお話ししました。
 その後、ご本人は予定通り開腹子宮全摘術および両側付属器摘出術を受けました。骨盤内には強い癒着も見られたとのことでした。ご本人が心配していた子宮や卵巣の全摘による困った症状は何も起こりませんでした。今は月経過多と月経痛と貧血によるだるさから解放されとても快適な毎日で、こんなに楽になるならもっと早くに手術を受けていれば良かったとのことでした。

ポイント:子宮や卵巣の摘出は厳しい選択ではありますが、その治療が人生において最良のことがあります。勇気を持って決断することも必要です。

# by chikakinu | 2019-09-01 05:00  

月経痛

 32歳 女性 会社員
 約1年前から月経痛がひどくなってきました。そろそろ病院へ行かなければと思いながらも産婦人科に行く勇気がなくてそのままにしていたところ月曜日の夜から月経が始まりました。火曜日の朝、月経痛のため目が覚めましたが、仕事が早番の日だったので痛み止めを飲まずに慌てて家を出ました。会社について仕事を始めましたが痛みがどんどん強くなり吐き気もしてきたため会社を早退し同僚に伴われて当院を受診しました。 超音波にて子宮筋層が厚くなっていることがわかりました。また左の卵巣に4cmの腫瘤を確認しました。子宮内膜症による子宮腺筋症と左卵巣の子宮内膜症性のう胞(チョコレートのう腫)でした。 受診時、本人は独身であり、まだ妊娠を望まないとのことでしたので、まずは月経を止める偽閉経療法を半年間行いました。今は超低用量のエストロゲン・プロゲストロンの内服による治療を行っています。しかし先月の来院時にこの秋に結婚の予定であることを報告してくれました。いずれは妊娠を希望するとのお話でしたので子宮内膜症の場合、妊娠するのは早い方が良いことをお話したところご本人もそのことを良く理解していました。そこで来月で治療は中止し妊娠へ持っていく予定としました。

 ポイント:子宮内膜症の主な症状は、月経痛、排便痛、性交痛などの痛みです。鎮痛剤だけによる治療は痛みを隠しているだけなので子宮内膜症は進行してしまいます。子宮内膜症が進行すると不妊症の原因となることも少なくありません。月経時の痛みが強い場合には早めに産婦人科を受診するようにしましょう。

# by chikakinu | 2019-08-01 05:00  

発熱 外陰部痛

 23歳 女性 金曜日の朝、外陰部に違和感を感じました。会社に行き通常通り勤務をしていましたが夕方になると何となく熱っぽくなってきました。風邪をひいたのだと思いましたが会社の新人歓迎会があったので出席しました。土曜日の朝になると熱が高くなり、体もだるく、右足の付け根も腫れてグリグリとしこりが触れるようになりました。近所の内科を受診し、熱などの症状を話し、風邪薬を処方してもらい帰宅しました。日曜日、熱、だるさ、足の付け根の腫れに加わり、外陰部がものすごく痛くなり、尿をしてもしみるように痛み、歩くのさえ苦痛になってきました。しかし日曜日だったので風邪薬を飲みながらがまんしていました。月曜日、痛みに耐えきれなくなり当院を受診なさいました。
 視診にて外陰部に多数の水疱を認め、一部それが潰瘍となっていました。足の付け根のグリグリは鼠径部(そけいぶ)のリンパ節の腫れでした。外陰ヘルペスでした。
 患部の処置をし、抗ウイルス薬の内服剤と軟膏、解熱鎮痛剤を処方しました。5日後の再診でまだ潰瘍が治りきっていなかったため内服薬を追加処方。さらに5日後に受診なさった時にはきれいに治っていました。患者さんには再発の可能性や今後生活するうえでの注意点について説明しました。

 ポイント:外陰ヘルペスの初期症状は風邪と間違えやすい症状です。外陰ヘルペスは主に性交によって感染します。外陰ヘルペスは一度感染すると何度も再発することがあります。水疱が出ている時には感染力がありますので注意が必要です。

# by chikakinu | 2019-07-01 05:00  

下腹部痛

 コラムを利用して病気や医療についてお話ししてきましたが、今月からは具体的に症例を紹介していきます。どの症例も当院を受診なさった患者さんですが、プライバシー保護のため年齢などは少し変更してあります。ご自分に気になる症状がある時に参考になさってください。

 27歳 女性月曜日早朝、通勤中に右の下腹部に痛みを感じました。会社の健康相談室で痛み止めを内服し休んでいたらなんとなく痛みがおさまったように感じ、少しウトウト眠りました。しかし再び痛みが強くなって目が覚めてしまいました。歩くと一歩毎に右のお腹に痛みが響き、虫垂炎かと思って会社近くの内科を受診しました。診察の結果、内科主治医から産婦人科の病気かもしれないので産婦人科の受診するようにと勧められ当院を受診なさいました。当院に到着した頃には下腹部痛が強くなっており真っ直ぐに座るのもつらく体を丸めてうずくまっていました。
 超音波検査で約6cmの右卵巣嚢腫を認め、診察時に右の下腹部に強い痛みがありました。検査より右卵巣嚢腫の茎捻転と診断しました。直ちに連携病院に搬送し緊急の腹腔鏡手術が行われ右卵巣嚢腫を切除しました。卵巣は一回転半捻れていましたが受診、診断、治療が速やかだったので卵巣へのダメージは最小限であり全摘は免れました。
 術後の経過は順調です。卵巣のう腫は皮様のう腫(ひようのうしゅ)という種類でした。きれいに切除されていますが、再発の有無を確認するために現在も当院に定期的に通院なさっています。

 ポイント:卵巣のう腫は今回のように捻れたり、または相当大きくなるまで気づかない腫瘍です。無症状の卵巣の病気については子宮がん検診などで偶然に見つかることがほとんどです。

# by chikakinu | 2019-06-01 00:00