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月経時の出血量増加

 46歳 女性 約半年前から月経時痛みが強くなり、またの出血量も増えてきたのに気づいていました。3ヶ月前に受けた健康診断でも貧血を指摘されており、会社の産業医かも治療を受けるようにと指導されていました。しかしあまり気にも留めず過ごしていました。今月の月経は月曜日の夜から始まりました。血液の固まりがドロンと何度も出てきました。火曜日の朝、大判のナプキンを当て会社に向かいました。しかし少し早歩きをしても動悸がし、横断歩道も1回で渡りきることができずに中央帯で1回信号をやり過ごし休みながら渡りました。会社に着くとフラフラし医務室へ行行きました。保健師から顔色の悪さを指摘され直ちにかかりつけの病院に行くよう言われ当院を受診しました。
 超音波にて子宮に3cmの粘膜下筋腫と10cmの筋層内筋腫、子宮内膜症による子宮腺筋症も認めました。貧血は血色素が4.8 g/dlと重症貧血でした。来院時も出血が持続しておりは出血性ショックの危険もあるため血管確保などの処置後、連携病院に緊急搬送しそのまま入院となりました。
 1 週間の入院を経て、今後の治療の相談に当院を再度受診しました。主治医から子宮全摘および両側卵巣切除の治療説明を受けたとのことでした。本人は未婚、未出産のため子宮全摘に抵抗があり、その上卵巣までとるのは心配とのことでした。筋腫の場所や大きさ、年齢を考えると子宮全摘が望ましいこと、筋腫の核出術によって子宮を残しても今後の妊娠は難しく、また子宮内膜症の再発を予防し根治させるのには卵巣の摘出も合わせて行なった方が良いことを説明しました。子宮全摘を行えば、今後の生活は格段に快適になるはずであり、卵巣全摘によってのぼせ、発汗などの症状が出てもそれは一時的であり、症状が強ければホルモン補充療法を行えば解決することもお話ししました。
 その後、ご本人は予定通り開腹子宮全摘術および両側付属器摘出術を受けました。骨盤内には強い癒着も見られたとのことでした。ご本人が心配していた子宮や卵巣の全摘による困った症状は何も起こりませんでした。今は月経過多と月経痛と貧血によるだるさから解放されとても快適な毎日で、こんなに楽になるならもっと早くに手術を受けていれば良かったとのことでした。

ポイント:子宮や卵巣の摘出は厳しい選択ではありますが、その治療が人生において最良のことがあります。勇気を持って決断することも必要です。

by chikakinu | 2019-09-01 05:00