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女性アスリートと健康

 冬季オリンピックが終了しました。女性アスリートの力強い活躍を頼もしく感じました。今月は女性アスリートと健康についてお話しします。

 女性アスリートに多い健康問題には1.エネルギー不足 2.視床下部性無月経 3.骨粗鬆症の3つの疾患がありこれらを女性アスリートの三主張と定義しています。この三主張の始まりは食事制限や過剰な練習によるエネルギー不足です。エネルギー不足が長引くと脳からのホルモン分泌が低下し、それによるエストロゲン低下のため無月経になります。エストロゲン低下の状態が長引くと骨密度が低くなり疲労骨折の危険が高まります。リスクを回避するために無月経は放置せずエネルギーバランスに注意を払うことが重要です。
 治療はエネルギー不足を改善することです。すなわち食事を増やすor/and運動量を減らすことです。アメリカスポーツ医学会の治療指針は1.最近減少した体重をもとに戻す2.月経がきていた時の体重に戻す3.成人ではBMI18.5kg/m2以上、思春期では標準体重の90%以上にする4.摂取エネルギー量は最低2000kcl/日とするです。国際オリンピック委員会でも1日300〜600kcal摂取エネルギー量を増やすことを推奨しています。
 また最近の女性アスリートにとっては月経周期をコントロールすることも大切なことです。リオオリンピックに出場したトップ選手の27.4%が継続的な月経周期のコントロールを行っていたことが報告されています。一時的な月経周期の調節は中量用ピルを、継続的な月経周期の調節は低容量ピルを用いて行います。本番で最高のパフォーマンスを行うためには自分が月経周期のどの時期に一番力を発揮できるのかを客観的に知らなければなりません。かかりつけの産婦人科医に月経周期の調節を相談すること良いでしょう。
                   日本産科婦人科学会雑誌69巻10号 より

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by chikakinu | 2018-03-01 05:00