下腹部腫瘤
2026年 01月 05日
18歳 女性 専門学校生
少し前からお腹が出てきたように感じていました。でも気のせいかを思いそのままにしていました。しかしだんだん洋服がきつくなり入らなくなってきたのでお母さんに相談してみました。お母さんがお腹をさわってみると固い大きめのしこりが触れました。そこで慌てて当院を受診することにしました。
当院受診時腹部に新生児頭大の硬いしこりが触れました。腫瘍が大きいため超音波では十分な所見がとれずMRI検査をオーダーすることにしました。MRIの検査では卵巣両側に腫瘍が形成されていました。MRI所見からは良性卵巣腫瘍が考えられました。しかし巨大卵巣腫瘍のため悪性や境界悪性腫瘍も否定できず手術目的に総合病院へご紹介しました。
紹介先では大きさから悪性の否定できず早めに手術となりました。病理診断は両側卵巣成熟期奇形腫で良性でした。巨大卵巣腫瘍でしたが両側卵巣ともに病巣のみ摘出し健常部分は残すことができました。
ポイント: 卵巣成熟期奇形腫は皮脂、毛髪、歯、骨など多彩な組織を含む腫瘍です。若い人に多く、無症状です。そのため今回の症例のように非常に大きくなって初めて気づくこともしばしばあります。また卵巣が捻れる茎捻転を起こし激しい腹痛のため急外来を受診して指摘されることもあります。妊孕性(妊娠する能力)を残すため今回の症例は両側卵巣を残しましたが再発のリスクを含んでいることを忘れてはいけません。
by chikakinu | 2026-01-05 07:00 | Trackback
