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胎児発育不全 

37歳 会社員


 数回目の体外受精によって第1子を妊娠し、妊婦健診を希望し当院を受診なさいました。分娩は里帰りをご希望でした。

初診時の胎児の大きさは体外受精を行なった病院で決定した予定日に見合った大きさでした。2回目、3回目の妊婦健診でも順調な発育を認めていました。しかし4回目の妊婦健診時に胎児の推定体重が胎児体重基準値からややずれて小さいことが確認できました。超音波所見では小さい以外に異常は認められませんでしたが、ご本人に詳しい検査をする方が良いと説明して超低出生体重児などの治療を行える専門病院へ紹介受診しました。

 専門病院受の検査でもやはり小さいだけで他の異常はありませんでしたが、もう少し経過をみるとのお返事をいただきました。その後ご本人が「やはり里帰り分娩をしたいがどうしたら良いでしょうか?」と相談にみえました。ご実家の近くには新生児を診ることができる病院は無いとのことでした。様々な条件から低出生体重児の治療ができる病院での分娩が望ましいと説明し、ご夫婦で話し合った結果仙台で分娩をすることになりました。

 その後も専門病院での妊婦健診を継続し小さいけれども胎児成長が見られているとのことでした。しかし妊娠37週時胎児発育が停止し胎児発育不全のため帝王切開で分娩となりました。赤ちゃんの出生時体重は1100gでした。


 ポイント:胎児発育不全の原因としては母親側の要因、胎児側の要因、胎盤や臍帯要因などがあります。母体要因として病気やタバコなどがあり原因を治療したり取り除いたりできれば良いのですが原因不明であることも少なくありません。胎児発育不全は慎重な管理が必要です。


by chikakinu | 2023-04-01 05:00  

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