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増強する下腹部の痛み

31歳 女性 薬剤師 朝食後に下腹部に差し込むようないたみを感じました。今朝は寒かったのでお腹が冷えたせいで痛むのかと思いお腹をあたためて静かにしていました。しかし次第に堪え難い痛みになってきたので、テレワークで家にいた夫に連れられてと当院を受診しました。 来院時、痛みのため体を丸め、歩くのもやっとの状態でした。腹部を診察すると腹腔内に何らかの炎症を起こしている時におきる筋性防御がみられました。経腟超音波を施行すると子宮のまわりに出血が溜まっていました。妊娠反応は陰性で子宮外妊娠破裂は除外されました。当院受診はその日が初めてだったので、以前に他の産婦人科で何か病気を指摘されたことはなかったかどうかたずねました。すると2年前に両側卵巣に大きな子宮内膜症性卵巣のう腫があると言われたとのことでした。しかし本日の超音波では両側卵巣ともに卵巣のう腫はありませんでした。以上のことから卵巣嚢腫破裂を強く疑いました。疼痛がひどく腹腔内に出血もあるため連携病院に救急車で搬送しました。 先日、紹介先の病院から経過報告をいただきました。やはり子宮内膜症性卵巣のう腫の破裂であったとのお返事でした。ポイント:先月のコラムで「卵巣腫瘍はよほど大きくならない限りほとんど無症状です。」と書きましたが、ねじれたり、このように破けたりした痛みで見つかることもあります。急な痛みで見つかった卵巣のう腫は緊急手術の対象となることも少なくありません。卵巣のう腫を指摘された場合は定期的に通院し、大きさの変化や悪性化していないかなどを確認しましょう。

by chikakinu | 2021-04-01 05:00  

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