人気ブログランキング | 話題のタグを見る

月経痛

41歳 女性 大学研究員 未婚 未出産

 25歳頃から月経痛がひどくなってきました。最初のうちは鎮痛剤を内服すれば仕事ができていましたが、そのうち月経が始まると痛みのため仕事を休みがちになりました。それでも月経時だけ休みを1日から2日とれば仕事も継続できていました。しかしそのうち月経時は冷や汗が出て歩くこともできないほど痛みが強くなり、また月経以外の時にも下腹部が痛むようになりました。心配した姉に付き添われ3年前に当院を受診しました。
 内診すると子宮と両側卵巣の可動性が不良で癒着が疑われました。超音波検査を行うと子宮腺筋症と両側卵巣に子宮内膜症性のう胞(チョコレートのう腫)を認め、子宮への卵巣の癒着も強く疑われました。手術治療を強く拒否したため、まずは偽閉経療法を行いその後黄体ホルモンによる治療を開始しました。しかし、不正出血と疼痛の再発があり、再び偽閉経療法を開始しました。治療を工夫しながら1年半ほど外来に通院していましたが両側卵巣の子宮内膜症性のう胞(チョコレートのう腫)が次第に増大してきたため手術治療が望ましいいことを説明しようやく手術に同意なさいました。そして総合病院へ紹介し手術治療を行いましたが癒着がひどく内膜症の病変を全部切除することはできませんでした。術後は黄体ホルモン療法を再開しながら経過観察を行っていましたが再度疼痛症状が増強してきました。前回手術した病院へ再紹介としたところ厳しい癒着があるため子宮+両側卵巣切除術が望ましいとの説明でしたが、本人が手術を拒否したため外来治療を継続していました。しかし、日に日に痛みが耐え難くなり本人から子宮+両側卵巣を切除する根治術を受けたいと申し出がありました。
 昨年末、子宮および両側付属器の摘出術を行い現在は当院でホルモン補充療法を行っています。

 ポイント:子宮内膜症は進行する病気です。進行する前になるべく早い時期に治療を開始し進行を防ぐことが大切です。

 追記:内膜症に悩まされていたころの彼女はいつも眉間にしわを寄せていて静かに苦痛に耐えていましたが、今は見違えるほど朗らかになりよく笑う女性になりました。このたび良い人とご縁があり秋にご結婚なさると昨日の外来で報告をがありました。

by chikakinu | 2020-07-01 05:00  

<< 過多月経 重症貧血 続発性無月経 case3 >>