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出血

81歳 女性 主婦


 こちらの女性は20年以上、必ず2年に1回仙台市の子宮がん検診のため当院を受診なさっていました。しかしコロナ感染症が流行してからはおよそ4年近く子宮がん検診を受けていませんでした。最近は検診を受けないことに慣れてしまって、もうコロナ感染の自粛も終了したにもかかわらず今年も受診しそびれていました。すると1ヶ月ほど前から下着に出血が着くようになりました。そのまま様子をみていましたが昨日多めの出血があり驚いて当院を受診なさいました。診察をすると子宮に強い炎症を認めました。細胞診を行ったところ結果は子宮腺がんを疑うものでした。さらに詳しい検査を行なう必要がありましたが炎症が強く精査によって多量の出血がおこるリスクがあったため高次病院へ紹介しました。高次病院の検査結果は子宮体がんでした。治療は、ややがんが広がっていたためまずは化学療法を行なってから手術となりました。


ポイント:子宮体がんは中高年の女性に多いがんです。一般に行ういわゆる子宮がん検診は子宮頸がん検診のことです。子宮頚がん検診の細胞診で子宮体がんが見つかることもありますが、私は子宮頸がん検診を受けにいらした患者さんの子宮体部の様子も確認し変化があれば子宮体部の細胞診も行なっています。この方もコロナが流行している間もいつもどおり検診を受けてくださっていればもう少し早くがんを見つけてさしあげることができたかもしれません。がん検診は定期的にそして継続して受けることが大切です。


# by chikakinu | 2024-10-01 07:00 | Trackback  

HPVワクチンにつきまして

当院ではHPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)の接種を行なっております。

9価ワクチン9種類のHPVを予防できます)を開始しました。従来の 4価ワクチンも接種可能です。

HPVワクチンは電話で予約の上来院してください。

未成年の方は必ず保護者同伴でいらしてください。

母子手帳をご持参ください。


またキャッチアップ対象者(生年月日が1997年4月2日〜2008年4月1日の女性)の方の接種も行なっています。

現在仙台市に住民票があり、HPVワクチン接種全3回が終了していない方が対象です。

1.仙台市に住民票があるとわかるもの(運転免許証、保険証、住民票など)

2.母子健康手帳

キャッチアップ対象者の方は上記2点をご持参ください



# by chikakinu | 2024-09-02 07:00 | Trackback  

予防

23歳 女性 会社員


 おりもの変化で当院を受診しクラミジア感染症の診断となり治療しました。クラミジア完治後も炎症が強いことから子宮頚がん検診も受けた方が良いことを説明しがん検診を行いました。細胞診の結果は要精密検査でした。そのためさらにコルポスコピーと生検を行なったところ組織結果は軽度異形成の結果でした。今後の経過検査について説明している時に子宮頸がんワクチンを受けているかどうか尋ねてみました。子宮頸がんワクチンは一度も受けておらず、丁度自治体からワクチン接種についての案内が届いていてご本人はワクチンを受けるかどうか迷っているとのことでした。そこで、軽度異形成の結果であることから子宮頸がんなどをひきおこすヒトパピローマウイルスにはもうすでに感染している可能性があること。しかしワクチンをすれば更なる子宮頸がんウイルスの感染を阻止できる可能性があることを説明しました。ご本人もこれ以上がんの心配はしたくないとのことで子宮頸がんワクチンの予約をしてお帰りになり先週1回目のワクチン接種を終えたところです。

 

ポイント:平成9年生まれ〜平成19年生まれ(誕生日が199742日〜200841日)のヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンを受けていない女性を対象にキャチアップ接種を行なっています。こちらの制度は令和72025)年3月で終了です。一度もワクチンを受けていない方は令和69月中に1本目を接種しないと期間中にワクチン接種を終えることができません。産婦人科医に相談しワクチン接種を受けてください。病気は予防が肝要です

# by chikakinu | 2024-09-01 07:00 | Trackback  

ご来院前に必ずお読みください 当院の新型コロナウイルス感染症対策

1.受診の方はご自宅で体温を測定のうえ来院をお願いいたします。

37.5度以上の方は来院をお控えください。

来院時はマスクの着用をお願いいたします。

202358日付で新型コロナウイルス感染症の分類が変更になりましたが、当院は妊婦健診施設であることから

コロナウイルスに感染した場合は5日間の待機期間を終えてから来院してください。


待合室内の人数を極力少人数に抑えるため、お付添はお一人までにお願いします。

感染防止のため急を要しない手術など一部の治療は延期しています。ホームページ上に記載してある内容であっても手術など現在は中止している診療内容もあります。感染状況が日々変化しているため突然の中止もあることをご了承ください。


当院へ御用の業者の方へ

感染防止対策の厳守をお願いいたします。当院を訪問なさる際は必ずマスクを着用願います。


2.当院では医DX推進体制に関する事項及び質の高い診療を実施するための十分な情報を取得し、活用して診療を行なっています。


# by chikakinu | 2024-08-01 07:00 | Trackback  

無月経

31歳 女性 会社員

 

妊娠を望んでいましたが1年前の流産後なかなか妊娠せずそろそろ産婦人科を受診しなければと考えていました。ところが今月の月経が遅れているため市販の妊娠反応を調べたところ陽性でした。そこで産婦人科を受診することにしました。

 当院受診時超音波にて子宮内に胎嚢は確認できませんでした。尿による妊娠反応はまだ弱くなんとかうっすらと確認できる程度でした。そこで1週間後に受診するようお話ししました。ところが1週間後の約束の受診時にご本人は来院しませんでした。ご本人に電話連絡しても繋がらず心配していたところようやく約束の日から2週間過ぎて受診なさいました。前日の夜から少量の出血があり心配になったので受診したとのことでした。妊娠反応ははっきりと強くなっていました。超音波検査では子宮内に胎嚢は確認できず、子宮周囲に血液が貯留しており腹腔内への出血が始まっていました。ご本人に異所性妊娠(右卵管妊娠疑い)であり腹腔内への出血も始まっているため緊急手術が必要であると説明しました。高次病院に連絡し緊急搬送となりました。

 搬送先の病院で緊急手術となり手術結果は右卵管妊娠でした。


ポイント:妊娠反応が陽性の場合正常妊娠とは限りません。異所性妊娠や流産など異常妊娠のこともあります。特に異所性妊娠は受診が遅れ卵管破裂がおきると腹腔内への大量出血を起こし出血性ショックによって生命にかかわることもあります。この症例の方ももう少し受診が遅れれば激しい腹痛や出血性ショックでどこかで倒れていたかもしれません。正常妊娠と異常妊娠の診断は難しく丁寧に時間を追って診ていく必要があります。命を守るためには医師から次の受診指示があった場合は指示どおりに受診することが大切です。


# by chikakinu | 2024-08-01 00:00 | Trackback