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女性の一生の月経回数と疾患

 現代女性の一生の月経回数は昔とは比べものにならないほど増えています。今月は女性の一生の月経回数と疾患についてお話いたします。

 70年前、女性は一生の間におよそ4〜5人出産していました。 妊娠中は月経が止まり、出産後も授乳中もしばらく月経が停止しています。そのため昔の女性の一生の月経回数は50〜80回でした。ところが現在の女性の出産回数は1〜2回なので一生の月経回数は420〜500回と随分と増えています。 子宮内膜症は月経が増悪させる病気です。子宮内膜症は子宮内膜が本来存在している子宮の内側だけではなく違う場所にも発生してしまう病気です。子宮内膜症が発生した場所では月経周期にあわせて病変部分も月経様の変化をくり返し、痛みや不妊症の原因を作っていきます。子宮内膜症は閉経になれば治癒する病気です。つまり月経が無ければ子宮内膜症は改善します。そのため閉経だけではなく妊娠や授乳により、月経が停止ししている間も子宮内膜症は改善します。現代女性の月経回数は昔の女性の8〜10倍となっているため、重症子宮内膜症が増えています。このことが不妊治療を困難にしていることを毎日の診療を通して強く感じます。 最近は閉経になることの負の面ばかり取り上げられているように思いますが月経が増悪させる病気があることも知るべきです。そして初経を迎えたように無事閉経を迎えることのありがたさにも目を向けるべきでしょう。

# by chikakinu | 2019-04-01 05:00  

妊娠中のスギ花粉症について

 今日は春のような暖かさのようです。暖かくなると花粉の飛散量が増えてきます。当院でも花粉症のお薬を必要とする妊婦さんが来院し始めました。今月は妊娠中のスギ花粉症についてお話いたします。

 スギ花粉症はスギ花粉を体が異物として強く認識してしまうことが原因です。花粉が鼻粘膜や眼の結膜につくとヒスタミンという物質がでてくしゃみ、鼻汁、鼻づまり、眼のかゆみ、涙などの症状がでてきます。また、微熱、全身倦怠感、頭痛なども花粉症の症状として現れることがあります。 スギ花粉症はスギ花粉が鼻粘膜や眼の結膜につかなければ症状が出ることは少ないのでマスクや眼鏡の着用は予防法として大事です。帽子やコートを着用して頭髪や体への花粉の付着をできるだけ少なくするのも良いでしょう。また花粉の飛散情報に注意して外出を控えることも必要です。帰宅したらうがい、洗顔をします。しかし花粉は非常に小さいため完全に防ぐのは困難です。 花粉症を重症化しないためには初期の薬物療法が大事です。花粉飛散の数週間前から抗ヒスタミン剤を内服します。ところが抗ヒスタミン剤の添付文書には「妊婦への投与を避けることが望ましい。」と記載されているものがほとんどです。しかし花粉症は妊娠中に重症化することもありそれを我慢するとかえって危険なこともあります。そのため抗ヒスタミン剤の内服は症状によって使用するかどうかを決めることが大切です。内服が心配な場合は点鼻薬や点眼薬などの局所剤による治療を考えます。 妊娠中のスギ花粉症は、まず体に花粉が付着しないように心がけ、それでもアレルギー症状が強くなる時は主治医に相談しましょう。

# by chikakinu | 2019-03-01 05:00  

妊娠中の食事による感染について

 妊娠中は食事による感染に注意しなければなりません。今月は妊娠中に注意が必要な食べ物についてお話しいたします。

 妊婦さんが気をつけなければいけない食物を介した感染症ひとつはトキソプラズマ症です。妊婦さんが感染すると赤ちゃんにも感染し赤ちゃんの脳や眼に影響がでる可能性があります。トキソプラズマ症はトキソプラズマという原虫に感染したネコの糞などが原因であることは良く知られていますが食物からも感染します。生肉や良く火が通っていない肉は生きたトキソプラズマが付着している可能性があります。レアステーキ、生ハム、ローストビーフ、加熱の不十分なジビエ料理、加熱が不十分な肉のパテ、生サラミ、ユッケ、馬刺し、鳥刺しなどの食品に注意が必要です。(厚生労働省HP参照)
 それからもう一つ注意すべき感染症はリステリア菌による食中毒です。リステリア菌も妊婦さんが感染すると赤ちゃんへも感染する可能性があります。リステリア菌は塩分にも強く冷蔵庫でも増殖します。加熱殺菌していないチーズ、肉や魚のパテ、生ハム、スモークサーモン、生サラダなどから感染する可能性があります。(厚生労働省HP参照)
 現代は様々な食品が手に入りやすい時代ですが、妊娠中は注意して食事を選ぶ必要があります。また普段調理をするときも生野菜と肉のまな板はそれぞれ別なものを用意して使い分けるようにしてください。生肉などに触れたトング、取り箸の取り扱いにも注意が必要です。

# by chikakinu | 2019-02-01 05:00