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無月経

21歳 女性 大学生


 以前から月経は遅れがちで40~50日ぐらいの周期でした。そのため今回の月経が前回の月経から2ヶ月以上たっても来ないのに気づいた時にも「いつものことだし。」とそのままにしていました。しかしその後も月経が来る様子も無く、前回の月経から4ヶ月以上たった時さすがに心配になり産婦人科を受診することにしました。

 検査にて妊娠は否定。ホルモン検査や超音波検査でも特に所見はありませんでした。しかし、身長151cm 体重 75.5 kg BMI 33.1 と高度肥満でした。お話をお聞きすると「以前から肥満を指摘されていたけれどあまり気にしていなかった。最近は大学のレポート作成などが忙しく生活が不規則になり気付いた時には今の体重になっていた。」とこのことでした。

 器質的疾患(元になる病気)が無い肥満の無月経の治療の基本はまず体重を適正な値まで戻すことであることを説明し食事と栄養、運動について指導しました。しかしご本人は「ピルを使って毎月月経が来るようにしたい。」と主張しました。その理由を尋ねると「月経が不規則になってから太り始めたので月経が順調になれば痩せる。」というものでした。そこでそれは間違いで肥満になってきたから月経が不順になったこと、肥満女性がピルを使うと血栓症など重篤な病気を引き起こすリスクが上昇することを説明しました。黄体ホルモン剤で出血がおこることを確認し、そして目標体重を指示しダイエットに励むようにお話し3ヶ月後の受診としました。


ポイント:妊娠をしたら危険な状態、つまり重症な痩せや肥満状態になると自分の命を守るために生存本能により排卵を休みます。そのため無月経になります。まず健康な状態つまり標準体重になることが月経を順調にします。


# by chikakinu | 2024-06-01 05:00 | Trackback  

腹痛

22歳 女性 大学生


 数日前より下腹部に痛みを認め、昨日からは右の肋骨の下あたりに痛みを感じるるようになりました。今朝は目が覚めてから痛みでしばらく動くことができませんでした。痛みが強く心配になり大学は休んで病院を受診することにしました。内科に行こうか産婦人科に行こうか迷いましたがまず産婦人科を受診することにしました。

 当院受診時に話しを聞くと「最初はおヘソの下あたりが痛かったけれど今はおなかの右上の方が痛む。特に深呼吸をした時や歩いた時に痛みが強くなる。」とのことでした。超音波では子宮卵巣は正常でしたが、触診をすると右肋骨下あたりに圧痛を認めました。血液検査をすると炎症反応が強陽性でした。クラミジアや淋病から骨盤内炎症を起こし、それが肝臓周囲に炎症をおこしたフィッツ・ヒュー・カーティス症候群と考えました。軽症であれば外来治療も可能でしたが炎症所見が強いため高次病院へ直ちに紹介し即日入院となりました。

 

ポイント:フィッツ・ヒュー・カーティス症候群は原因としてクラミジア感染が多いのですが淋菌感染も多く見られます。クラミジアや淋病などの性病は通常は腟から子宮頸管の炎症ですが時には今回のように膣→子宮→卵管→骨盤→肝臓周囲と広い範囲に炎症が及ぶことがあります。フィッツ・ヒュー・カーティス症候群は強い癒着を起こすため不妊症の原因になることもあります。性感染症は特に女性の場合、性器だけに止まらず子宮卵巣から離れた臓器にまで炎症が及ぶことがあり注意が必要です。


# by chikakinu | 2024-05-01 05:16 | Trackback  

無症状

30歳 女性 パート


 毎年当院にて仙台市子宮頸がん検診を受けていました。今年も仙台市の受診券を持参し当院を受診なさいました。

 いつもどおり子宮頸がん検診のための分泌物採取を行い、その後超音波検査を行いました。すると片側卵巣が鶏卵大に腫大していました。腫瘍の内部に悪性を疑う変化も認めました。そこでご本人に子宮がん検診の他に卵巣の精査をおすすめしたところ検査に同意なさったため卵巣の精密検査を開始しました。

 腫瘍マーカー検査、MRI検査を行うと手術治療が適切と考える卵巣腫瘍でした。ご本人に治療を急いだ方がよいと説明まし、3日後の高次病院の予約をとりました。

 

ポイント:卵巣腫瘍はよほど大きくならない限り無症状です。悪性卵巣腫瘍の場合には症状に気づいて受診した時には治療が難しくなっていることもあります。健康診断をきちんと受けていると検査目的以外の病気も早期に発見することができます。


# by chikakinu | 2024-04-01 05:00 | Trackback  

無月経

 18歳 女性 大学1年生

 

 14歳で初経を迎えその後順調に月経が来ていました。しかし1年ほど前から月経が不規則になり始め、高校3年生の7月の月経を最後に無月経となりました。しかし受験のストレスかと思いそのままにしていました。ところが無事大学生に合格し試験のストレスから解放されても月経は戻りませんでした。それでもそのまま様子を見ていましたがだんだんと心配になり昨年10月、当院を受診なさいました

 受診時、超音波検査を行うと子宮が萎縮していました。ホルモン検査をすると血中のエストロゲン値は低く、FSHは高値であり閉経女性に見られる数値でした。ご本人と母親に早発卵巣不全疑いであるとこを説明し大学病院を紹介しました。

 大学病院で精査を行い早発卵巣不全の診断で原因は不明とのことでした。今後はホルモン補充療法を行うことになりました。


ポイント:早発卵巣不全の原因不明がほとんどです。月経不順に気づいたら早めに受診しましょう。


# by chikakinu | 2024-03-01 05:00 | Trackback  

不正性器出血

80歳 女性 


 2週間ほど前に多めの出血を認めました。その後は出血が少なくなりトイレットペーパーに少しつく程度になっていたのでそのまま様子をみていました。しかし23日前からまた出血が増えてきたため心配になり当院を受診なさいました。

 腟鏡で検査をすると子宮頸部に腫瘍病変を認め出血し易くなっていました。超音波では子宮頸部に血流が豊富な病変部を認めました。病変部の擦過細胞診を行い検査に提出しました。子宮頸部細胞診の結果は子宮頸がんを疑う結果でした。そこでさらにコルポスコピー検査をし、生検を行うと子宮頸部腺がんの結果でした。

 ご本人に結果を説明し、さらなる検査と治療のため連携高次医療機関へ紹介しました。


ポイント:こちらの患者さんは2020年まで定期的に子宮頸がん検診を受けていました。ところがそれ以降は新型コロナ感染症の蔓延により検診を控えていました。子宮頸がんには扁平上皮がんと腺がんがあります。腺がんは見つけにくく進行が速いのが特徴です。今回の症例では腺がんだったため少し検診をお休みしている間に進行したようです。


# by chikakinu | 2024-02-01 05:00 | Trackback