出血
2024年 10月 01日
81歳 女性 主婦
こちらの女性は20年以上、必ず2年に1回仙台市の子宮がん検診のため当院を受診なさっていました。しかしコロナ感染症が流行してからはおよそ4年近く子宮がん検診を受けていませんでした。最近は検診を受けないことに慣れてしまって、もうコロナ感染の自粛も終了したにもかかわらず今年も受診しそびれていました。すると1ヶ月ほど前から下着に出血が着くようになりました。そのまま様子をみていましたが昨日多めの出血があり驚いて当院を受診なさいました。診察をすると子宮に強い炎症を認めました。細胞診を行ったところ結果は子宮腺がんを疑うものでした。さらに詳しい検査を行なう必要がありましたが炎症が強く精査によって多量の出血がおこるリスクがあったため高次病院へ紹介しました。高次病院の検査結果は子宮体がんでした。治療は、ややがんが広がっていたためまずは化学療法を行なってから手術となりました。
ポイント:子宮体がんは中高年の女性に多いがんです。一般に行ういわゆる子宮がん検診は子宮頸がん検診のことです。子宮頚がん検診の細胞診で子宮体がんが見つかることもありますが、私は子宮頸がん検診を受けにいらした患者さんの子宮体部の様子も確認し変化があれば子宮体部の細胞診も行なっています。この方もコロナが流行している間もいつもどおり検診を受けてくださっていればもう少し早くがんを見つけてさしあげることができたかもしれません。がん検診は定期的にそして継続して受けることが大切です。
# by chikakinu | 2024-10-01 07:00 | Trackback